神戸ファッション美術館

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お知らせ・イベントのご案内(Blog)

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2022.5.4 ライブラリー

【ライブラリー情報】5月の新着図書のお知らせです!

 
みなさま、こんにちは!
 
当館3階ライブラリーに、5月の新着図書が18冊入りました!
今月も読みごたえのある書籍ばかりですので、ご来館の際はぜひお立ち寄りください。
詳細は右記リンクよりご覧いただけます。5月新着図書リスト
 

 
今月もライブラリースタッフが新着図書の中から9冊ピックアップしてご紹介します!
※( )内は資料請求記号
 
■スタジオ・ムンバイ : プラクシス(2805/STU)
日本の建築では概ね設計者と施工者は別です。
インドを代表する建築家、ビジョイ・ジェイン氏率いる建築設計事務所:スタジオ・ムンバイは、
120名を超える有能な職人たち(大工棟梁、石工、鉄工、建築家、技師、デザイナーなど)が事務所のメンバーとして在籍し、
建築家と職人が連携して、設計から施工に至るまでほぼ人の手だけで完成させる独特のスタイルです。
日本では尾道の複合施設「LOG」を手がけました。
ビジョイ・ジェイン氏が大切にしているのは“Praxis(プラクシス:実践)”の精神。
「Idea(理念)からPractice(実行)にいたるまでのすべての道程」だと、ジェイン氏は語ります。
職人に指示するのではなく、対話を大事にするスタジオ・ムンバイの作風は、
伝統技術を用いた職人たちの手による工芸品のような建築を生みだしています。
日本で初の作品集である本書では、ジェイン氏を始め職人や協力者へのインタビューも充実しています。
 
■Forever Saul Leiter (3005/LEI)
2021年に美術館「えき」KYOTOで巡回された写真展「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」の作品集です。
幻の写真家ソール・ライター(1923-2013年)は、50年代に『ハーパーズ・バザー』『英ヴォーグ』誌の表紙を飾るほど、
売れっ子ファッション写真家として活躍した後は、日々絵を描きながら愛猫の世話をし、ニューヨークの自宅周辺で、
ただひたすら自分のためだけに写真を撮り続け、仙人のように暮らしながら、自身の写真哲学を追究していました。
2006年に80歳を超えてからドイツで出版された作品集は、瞬く間に世界中の写真ファンの心を鷲掴みにし、
一気にそれまでの仕事が再評価されて人生が急展開しました。
パートナーだったソームズや最愛の妹デボラの写真、自分で撮った自画像、もともと画家を目指していたライターの絵画も収録されています。
雨粒、傘、鏡、水たまりの映り込みを使ったゆらぎ、にじみ、すきま・・・世間から注目されることを好まなかったと言われる
ソール・ライターの眼を喜ばせた美しい日常の一瞬は、今もなお人々を惹きつけてやみません。
 
■Blue Note(3308/BLU)
ブルーノートはアルフレッド・ライオンによって1939年にニューヨークに設立されたレコードレーベル。
人間味あふれたアーティストの表情を撮る写真家だったフランシス・ウルフと、撮影した写真を大胆にトリミングし‌、
インパクトのあるデザインを生み出すリード・マイルスが加わり、抜群のジャケットデザインが作成されました。
数えきれないほどの名盤にはヴァン・ゲルダーの録音技術が生かされ、若手ミュージシャンを発掘し、
原石のような演奏を残してきたことなど、ブルーノートの歴史は重なっていきます。
CHAPUTER ONE 1920s THE CRUCIBLE OF JAZZ にはじまり、
CHAPUTER SEVEN 1980s-PRESENT COMETH THE HOUR,COMETH THE MEN AND WOMENまで、
ページをめくるたびに、聞きたいレコードは増えていきます。
往年の老舗レーベルも音楽好きの個人が始めたものだった、まるでそのおすすめを教えてもらっている気分に。
セロニアス・モンクとバド・パウエルのピアノを聞き比べするもよし、アートブレーキーのナイアガラロールで気分を上げて、
リーモーガンのつややかなトランペット、心地いいグレゴリーポーターの歌声、穏やかな午後はノラジョーンズと思いは広がるばかり。
ブルーノートの魅力の集大成といえる一冊です。
 
■西洋美術史(3402/SEI)
近年ビジネスパーソンの間でも「アート思考」が注目され、幅広い世代で西洋美術や現代アートへの関心が高まっています。
この本はそんな「いまさら聞けない」西洋美術を 目で見て楽しんで学べることのできる本です。
本書によると、英語で「歴史」を意味するヒストリーと「物語」を意味するストーリーは語源が同じだとか。
まさに物語を読むように美術史を学ぶことができます。
古代から現代アートまで、美しいカラー図版がたっぷりで、世界地図や建築様式、宗教の解説付きなのも気が利いています。
教科書には詳しく載っていない第二次世界大戦後の現代アートの記載が豊富なのも特徴的です。
「ジェンダーと芸術」「表現の自由と検閲」など、今の時代に則した新しい切り口で執筆された専門家のコラムも読みごたえがあります。
 
■THE ART OF PROTEST/Political Art and Activism(3402/SEI)
「抗議のアート」と名付けられたこの本は、さまざまな社会問題と向き合うアーティストたちの作品集です。
芸術家たちが向き合う問題は、人種差別、フェミニズム、環境問題や政治的な問題など、実にさまざまです。
日本と同じく海外でも、政治的な問題を扱ったアート作品は時おり批判される傾向にあるようですが、
それでもそれらの問題に真摯に向き合うアーティストたちの作品には、特別なパワーに満ちています。
裏表紙で大きく扱われているのは、南アフリカの女性アーティスト、メアリー・シバンデの彫刻作品で、
植民地時代の青いドレスを着た黒人女性の彫刻が印象的です。
それぞれの問題に対して「アートは何をしなければならないのか?」を私たちにつきつけている作品集です。
 
■Brooches and Badges(1203/BRO)
ブローチとバッヂ、そしてその歴史に関する本です。
ブローチの歴史は、ドレスのデザインと切っても切れない関係にあります。
そもそも、衣服の留め具として実用的な目的で使用されてきたブローチですが、
ファッションの変化で実用的な用途はなくなり、美しい装飾品として着用されるものになりました。
虫そのものをまるごと使用したブローチや、遺髪を使用したブローチ、
当時の価値観や生活を伝えるもの、アール・ヌーヴォーや、アール・デコの影響を受けたものなど、
ちいさなブローチに当時の時代性がぎゅっと凝縮されていて、眺めているだけで楽しい一冊です。
 
■アパレルに未来はある(0103/APA)
ここ数年、老舗と呼ばれる「ニーマン・マーカス」や「ブルックス・ブラザーズ」などの倒産が業界に衝撃をもたらしました。
利益を出すためにアパレルに限らず食品、家電といった産業も大量生産、大量消費を前提として短いサイクルで新商品を投下し、
ブランド名を全面に出して高額な商品を売り出すことを進めてきました。
このことは顧客のニーズとズレを生じさせ、コロナで顕著になってきたと言えます。
著者はファッションという視点から企業のブランド作りに携わってきました。
その経験から時代におけるファッションの先見性を信じており、「変革者」として新しいことに取り組むブランド、企業を紹介しています。
ファッションの魅力とは機能性合理性ではなく、「好き」がベースであると今一度、思い起こさせてくれます。
 
■Azzedine Alaia Peter Lindbergh (3008/LIN)
アズディン・アライアは2017年に惜しまれつつ亡くなった、1980年代にパリで活躍したチュニジア出身のデザイナーで、
本書は2021年にパリで行われた彼のコレクションの展覧会カタログです。
アライアと聞いて思い出すのは、彼が確立したボディコンといわれる、女性を最も美しく見せるスタイルをまとった
スーパモデルやセレブ達ではないでしょうか。
本書でも彼と信頼関係を築いていたモデルたちが、女性の美しさ、可愛らしさ、強さ、カッコ良さを余すことなく発揮して見えます。
スーパモデルよりはるかに小さく気の良いおじさんといった風貌のアライアですが、彫刻を学んでいたこともあり、
女性のボディーを熟知し、その製品も質の高い職人さんだったことなどから、とても信頼され慕われていました。
今月の他の新刊では現在のアパレル業界の危機が語られていますが、
これからは現れて来ないであろうゴージャスだった時代をピーターリンドバーグのモノクロ写真で体験してみてください。
 
■EXTRAORDINARY VOYAGES、LOUIS VUITTON (4005/EXT)
旅とは人間にとって切っても切り離せないものです。
歴史的に見た場合、交通機関の発達によって大きな変化がもたらされてきました。
本書は汽車、列車、車、飛行機等、中には動物や日本の人力車も旅の手段として登場する、旅の歴史書といったところです。
その旅の時々をセピア色のノスタルジックなイラスト、写真と共に掲載しています。
情報の正確さというよりは旅の楽しさ、冒険に満ちたワクワク感を強調しており、正にルイ・ヴィトンの世界全開です。
装丁もセンスがよく洒落ていて、手に取るだけで楽しくなること間違いなし。
時間旅行も兼ねて、一度覗いてみられることをお勧めします。
 

 

 
これらの書籍はライブラリー入口右手の窓側付近に展示しております。
ライブラリーは赤い入口が目印です。お気軽にお入りください!
 
ただいま1階展示室では、特別展「華麗なる宝塚歌劇衣装の世界」を開催中です。
 
みなさまのご来館をお待ちしております!
 

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